【 大和の国、この日本に昔からあるハーブの桜 】

春に咲く桜、きれいですよね。慎ましくも華やかなその姿は、冬を超えた私たちの心を溶かし和ませてくれます。

桜を代表する食べ物には「桜餅」がありますが、桜餅ができたのが今から300年ほど前と言われます。

江戸の頃、幕府の政策として民の集う場(今でいう公園)を作るその空間に梅や桜を植えたそう。そして殺風景だった隅田川東岸の向島に桜を植えたことがきっかけで桜餅の登場となったそう。

桜の落ち葉を塩漬けにして、餡を餅で包み塩漬けにした桜葉で挟んだのが桜餅の始まりなのですが、桜の葉を塩漬けにすると生葉の成分のクマリン配糖体が加水分解(化学変化)を起こし、クマリンを生成して桜独特の香りを発生させる…。

そのクマリンは芳香族化合物の一つでポリフェノール群の一つ。

 

【 桜が秘める成分 】

ポリフェノール群のなかで代表的なものがフラボノイド。

フラボノイドには系統がいくつかあって、「クマリン」はその一つの系統です。甘い香りを持っているのが特徴で、パセリにも含まれ柑橘類や桃などの果物に多くみられます。抗菌の働きや血をサラサラにする抗酸化力を持ち老化を防ぐ自然化学物質です。

そしてクマリンに並ぶもう一つの成分「レスベラトロール」

レスベラトロールは赤ワインで有名な葡萄に含まれるポリフェノール類の総称として呼ばれていますが、レスベラトロールに抗酸化はもちろんのこと抗糖化の働きを持つことが分かったのが今から10年前になります。

体内でタンパク質が糖と結びついていく状態をAGE(終末糖化産物)と言いますが、AGEは強い酸化力を持つため、老化が加速し病気の発症の原因にもなるといわれています。抗糖化とは、糖の吸収を阻害したり、抗酸化の働きによって糖化を防いだり、AGEを分解したりする働きのこと言います。

ちなみにAGEはコラーゲンと結びついてしまうので、身体はそれを異物とみなして酵素で分解して溶かそうとするのですが、その時に正常なコラーゲンまでもが分解されてしまいお肌のしわやたるみの発生になるのです。

美肌を作るレスベラトロール!

 

 

【 理に適っていた江戸時代のアンチエイジングスイーツ 】

抗酸化で血をサラサラにするクマリンや、糖化を防ぐレスベラトロールを含む桜の花や葉。日本のハーブも素晴らしい!の一言に尽きます。

作用や機序が化学的に分かると、江戸の頃の人は知ってか知らずか、桜の落ち葉を加工して食べ始めちゃってたんだから凄いですよね。

なんといっても桜餅は、季節を愛で、食す、アンチエイジングの食べ方なのですから。

桜の落ち葉を見て閃いたのでしょうか??

 

ちなみにどうでもいい話になりますが、店主の私は和菓子は大の苦手なんですけれど、なぜか桜餅だけは昔から好きなんです。

あのクマリンに誘われてしまうのです。

決して、ゆるキャラの名前ではないのに…。

 

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