すっかり秋も深まり冬はもうすぐ目の前ですね。

日本の自然の織りなす秋の風景は、胸がドキッとするほどの世界に類を見ない美しさに思います。

イチョウの黄色、モミジの紅色、伸び行く枝の深い茶色や秋の緑色。
そのコントラストや全風景は、ダイナミックでありながらスタティックな、その両極のハーモニーを見事に日常で体感させてくれる季節とも言えますね。

そこに表現される…愛でる…が、しっくりとくる。
それが日本人ならではの感覚なのかもしれません。

 

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【 意外と知られていない植物の色の成分 】

紅葉でお馴染みのイチョウの黄色やモミジの紅色。
植物自身が作り出している自然化学成分の色素ですが、どんな成分が色になっているかというと

イチョウの黄色はカロチノイド、モミジの紅色はアントシアニンで、その量が多くなると楓のように真っ赤になります。その赤色の濃度や青みを作り安定させているのがフラボノイド。そして緑色はクロロフィル。

カロチノイド、アントシアニン、フラボノイド、クロロフィル?
あれ?これって健康にいいとかで聞いたことがあるかも…!

そうなんです。実は、これらは色素成分のことなのです

 

【 身近に含まれる色素成分の色々 】

これらの色素成分は身近なものにもたくさん含まれています。

カロチノイドは黄色からオレンジ色を持つ脂溶性成分で、ニンジンやカボチャに含まれるβカロチンや、ほうれん草のルティンなどの成分。粘膜を保護し強くします。

アントシアニンは赤から青までの色を持つ色素でポリフェノールの仲間。
ワインで知られるブドウやナス、紫キャベツなどの成分で血液をサラサラに。

同じポリフェノールの仲間のフラボノイドは白から黄色を持ち、ほとんどの植物に含まれて、細かな血管や神経を丈夫にしてくれます。

緑色の植物はクロロフィルという葉緑素を持ちますが、緑色には黄色も一緒に含まれるため、気温が下がると緑色が分解されて黄色が残りイチョウの葉が黄色になります。

色素成分というのは抗酸化と呼ばれる性質を持っているので、私たち自身が自ら生体機能を健やかに保とうとする動きと反応しあって作用が起こっているのです。

 

【 ハーブにも含まれている同じ成分 】

ハーブには機能性成分と呼ばれるものがたくさんあります。
その機能性成分と呼ばれる一つに色素成分の「ポリフェノール類」や「カロチノイド類」「クロロフィル」があります。

ですから、緑のバジルにも黄色を持つカロチノイドが含まれているほか、マリーゴールドの黄色もカロチノイド、ハイビスカスのお茶が赤くなるのはポリフェノールのアントシアニン、ブルーベリーの紫色もアントシアニンです。ベニバナの黄色はフラボノイド、ネトルの深い緑はクロロフィルなどなど。

ハーブに様々な機能性がある理由ですね。

ところで、自然界では木々も動物の冬眠と同じように休眠に入る種類があります。それらの木々たちは休眠に入る際に代謝を変えていくことで化学変化を起こし発色します。

紅葉は、休眠に入る際の変化の様子を色の変化で私たちに見せてくれているというわけです。

私たちの身体と作用し合う色素だけではなく、風景からも心や情緒を豊かに広げてくれる色を持つ植物は、なんて偉大なのだろう!!
そう思わずにはいられません。
いつまでも、この植物達と共に生きていける人間であろう…と改めてつぶやく店主でした。

 

ハーブのことなら福岡県古賀市のハーブの専門店ファルムへ。
お気軽にお越しくださいませ。